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最高裁判所第三小法廷 昭和52年(あ)740号 決定

主文

本件上告を棄却する。

理由

被告人本人の上告趣意は、事実誤認、単なる法令違反の主張であって、刑訴法四〇五条の上告理由にあたらない。

弁護人伊藤敬寿の上告趣意第一点は、事実誤認、単なる法令違反の主張であり、同第二点は、判例違反をいうが、引用の各判例はいずれも事案を異にし本件に適切でなく、同第三点は、判例違反をいう点を含めて、その実質は単なる法令違反の主張にすぎず、同第四点は、事実誤認、単なる法令違反の主張であり、同第五点は、憲法三八条一項違反及び判例違反をいう点を含めて、実質は、すべて単なる法令違反、量刑不当の主張にすぎず、いずれも適法な上告理由にあたらない。

なお、鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律一五条の規定は、その手段において人畜に危険の及ぶおそれの高度な猟法を禁止したものであり、被告人が本件据銃をしたこと自体によって同条違反の罪が成立するとした原判断は、正当である。

弁護人富岡秀夫の上告趣意は、憲法三七条一項違反をいうが、その実質は事実誤認、単なる法令違反の主張であって、適法な上告理由にあたらない。

よって、刑訴法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 高辻正己 裁判官 天野武一 裁判官 江里口清雄 裁判官 服部高顕 裁判官 環 昌一)

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